イチゴを育成しているところは、ハノイから1時間半ほど離れたホアビンというところと、そこからさらに3時間半くらい離れたモクチョーというところだ。
現地で僕を出迎えてくれたイチゴのスペシャリストである大塚さんという方を含め、日本チームと現地の人々との協力のおかげでイチゴがすで育っていて、僕が行ったころにはちょうど実がなったものを確認することができた。
僕がモクチョーについたころはまだイチゴが取れ始めたばかりのころで、このイチゴをまずテスト的にモクチョーの街にあるケーキ屋さんに届けてイチゴのケーキを作ってもらおうということになった。大塚さんと僕は一通り現場を見た後に、いくつかイチゴを摘んでケーキ屋さんに向かった。
ベトナムでは一般的に英語がしゃべれる人が少ないので、イチゴを持っていってもケーキを作ってくれということが伝わるかどうか不安だったのだが、お店に行ってみると販売している女の子がかなり流暢に英語を喋ってくれた。生のイチゴを見るのは初めてだったようで非常に感激してくれた。近くで見て、匂いを嗅いで、とても喜んでいてくれた彼女は、みんなのお土産にするから食べることはできないと言っていたが、1つ試しに食べてみてくれと念を押すと食べてくれた。イチゴの味にも感動してくれた彼女は実はその日がちょうど誕生日だったらしい。いいプレゼントができ、微笑ましい場面に出会えてうれしかった。
実は1回目にイチゴを持っていったときに、いくつかは食べてもいいけど全部食べずにケーキ作ってねとお願いしたのだがすべて食べてしまったらしい。英語が通じていなかったのかどうかはわからないが、従業員がけっこう多いところだったので、1人だけ試食するということは無理だったのだろう。2回目は、今度こそケーキ作ってねと念を押した。
完成したケーキを見に行くと、僕らのために作ったので食べてくれといわれたが僕らはモクチョーの人たちにイチゴのおいしさを知ってほしかったのでケーキを受け取れなかった。きれいに飾られたあのケーキは誰が食べたのだろうかと思っていたところ、彼女の友達の結婚パーティーに持っていったらしい。彼女の友達も喜んで食べてくれたということを聞いてうれしかった。
イチゴでうれしい笑顔を見れたことはいいことだが、モクチョーやホアビンのイチゴ農家が生活を向上させていくためにはこれから販路を拡大していかなくてはいけない。ベトナムはクリスマスを盛大に祝うのでクリスマスケーキで使うということは1つの案だけれども、やはり日本のクオリティで生のイチゴをたべてほしいとも思うし、まだやるべきことはたくさんある。


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