年末じゃないでしょ?って思う人も多いかもしれないが、ベトナムではテトの準備が始まり、今が年末なのだ。テトというのは旧正月のことで、ベトナムでは中国と同様に旧暦の正月を祝う習慣がある。今年はバレンタインデーがちょうどベトナムのテトにあたる。
そういえば、ホイアンで出会ったベトナム人に、日本の旧正月はどう祝うんだと聞かれたときに、日本では旧正月を祝う習慣がないと答えたらびっくりしていた。ベトナムでは元旦よりも、旧正月の方がよっぽど重要で、この前後一週間はまったく仕事が手につかなくなるらしい。それほど重要な時期なのだ。
僕らの立場としては、今日は片田舎のルンソン村からひょっこりハノイに買い物に来ただけなのに、テトの混雑で渋滞はひどいは、人の波に邪魔されて動きはとりずらいは、まったく飛んだ災難にあってしまった。1ヶ月前の今の状態でさえひどい混雑なのに、テトの一週間前や前日はいったいどうなってしまうんだろうか?大晦日のアメ横よりもひどいことになっているのが想像できる。
ベトナムの買い物では市場で買う場合、値札などというものはなく、定価はないに等しい。なので、数字のやり取りというのは重要だ。僕の場合、新しい国を訪れるときはまず最初にその国の挨拶と数字を覚えることから始めている。ベトナムでも同様に数字を覚えたのだけれど、ベトナム語は発音が難しくて、聞きとりにくいので苦労している。
さらに数字を扱いにくくするのはその桁の多さだ。例えば、現在ベトナムでは、100円はおよそ20,000VND。だからちょっと高いものでは簡単に1,000,000VNDを超えてしまう。5000円両替すれば、その名の通りミリオネアになれる。
そんな数字について、僕が日本の数字の数え方がやっかいだと思うことがよくある。日本の数字の数え方は他の国と違って、4桁区切りなのだ。多くの国では1000まで行ったら一巡して、10000は10と1000という言い方をする。英語の場合、10000は「ten thousand」だから「10と1000」だし、ベトナムでも「muoi nghin」は「10と1000」だ。日本の場合は10000には「万」という言い方があって、100000まで行くとようやく「十万」、つまり「10と10000」という言い方をするようになる。ちょっとばかし日本人は他の国よりも頭のできがよくて、メモリーが多いためにゼロが4つのところまで数字を作ってがんばってしまったようだ。
しかし、そのせいでいろいろ面倒なことが多い。ベトナムでは物の値段については、数字が大きくなりすぎてしまうため、よく1000以上のみで扱うことがある。例えば15,000VNDは15とだけ表記する。これを読む場合も英語はthousandをはずすだけ、ベトナム語はnghinをはずすだけでいいのだけれど、日本語の場合は、一万五千を十五と変換するようで、読みにくい。(十五万から十五にするのは万をはずすだけだから楽チンだけど。)
同じように数字の桁区切りも世界的には通常3桁づつだ。1億は100,000,000と区切るが、英語やベトナム語の場合、数字の間にあるカンマで読みやすくなるわけだが、日本語の場合、カンマがあっても数字の読みにはまったく役立たない。かといって、1,0000,0000のように4桁ずつカンマを置けば日本語としては読みやすくはなるけれど、世界では通用しない。こんな不満を言ったところで何も変わらないんだけどね、なんて勝手な独り言を言ってみた。

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