「ヤラレタ!!」
ナイロビの日本人宿、ニューケニアロッジのオープンスペースでゆったりと休んでいるときに別の日本人旅行者が叫んだ。
悪ふざけとかそういうわけではないらしい。その日本人旅行者がいた部屋には2人の日本人だけが泊まっていて、彼らのバッグやカメラなどがなくなっているということだ。バッグを盗まれてしまった1人は、スタンプやビザがつまったパスポートや今まで書き溜めた日記をなくしてしまったことにかなり落ち込んでいた。
彼ら2人はドミトリーと呼ばれる形式(ベッドが複数置かれていて1つの部屋に何人も宿泊する)の部屋に泊まっていた。しかし、彼らの部屋の宿泊者が2人だけだったので、部屋の外から彼ら自身の錠前を使って鍵をかけていた。それにもかかわらず、彼らは貴重品を盗まれてしまった。いったい何が起こったのだろうか。
ニューケニアロッジの彼らが泊まっていた部屋には、隣の部屋との間に扉があった。通常、この扉には鍵がかかっているので気にしないのだが、強盗はこの扉をこじ開けて隣の部屋から彼らの部屋に侵入したのだった。自分たちの鍵を使って部屋にロックをしていた2人は、まさかそんな形で強盗が起きるなんて考えていなかっただろう。もし僕があの部屋に泊まっていたら自分も同じ被害に遭っていたと思うとゾッとするし、被害に遭ってしまった人に対しては非常に気の毒だ。
この強盗で宿の中は大騒ぎ。宿泊している日本人は彼らにいろいろ協力しようとするのだが、なんせ宿の人がぜんぜん動かない。
ついさっき隣の部屋から出て行ったケニア人らしきカップルを目撃した人もいた。宿帳に通常泊まる人の情報を書いておくのだが、僕がこの宿に泊まるときはパスポートの確認さえしなかった。そんな宿で犯人と疑われるケニア人カップルが泊まる際にIDを確認しただろうか。宿の人には警察を呼ぶのをお願いしたり、ケニア人カップルのIDを確認したりお願いするが、助けようとするところがまったく見えないし、何かしてあげようという気もなさそうだ。自分がオーナーなのに彼らは私たちの責任ではなく運が悪かったんだの一点張りだ。
奪われてしまったカードを停止するために電話を使わせてほしかったのに、ホテルのオーナーは電話を貸すことさえプライベートのものだからという理由で拒んだ。使いたいなら使用する分のテレフォンカードを買って来いと言い張った。自分のホテルで起こった事件のことなのにまるで他人事だ。ここは日本人が泊まる宿としてバックパッカーには知られていて、かつて盗難宿として有名になったこともあったようだが、ここまでひどい宿だったとは思わなかった。
別の旅行者などと協力していろいろな連絡した結果、日本大使館の緊急連絡先に連絡したら、大使館員が来てくれることになった。これからすぐにタクシーで向かうとのことだった。なんと、素早い対応!!このときほど日本のサービスってすばらしいと思ったことはない。
少ししたら本当に大使館の人が駆けつけてきてくれた。2人の大使館員はビシッとスーツを着ていてかっこよかった。被害に遭った2人の話をしっかり聞いてくれて、宿の人にも注意を促していてくれたし、警察にも連絡してくれて、無理かもしれないとは言っていたもののナイロビ警察も調べにきた。(ちなみにナイロビの警察は腐敗していることが知られていて、ただの旅行者がお願いしてもちゃんと相手してくれるのかはわからない。)ほんとにこのときは日本の大使館員がすごい心強かった。
そんな混乱の最中、一緒に宿に泊まっていたパキスタン人も外から帰ってきた。強盗があったことを伝えて、自分の部屋をチェックしたほうがいいと言うと、「俺は大丈夫だ。俺の部屋には何にもないから」と笑い飛ばしていた。こんなときにもまったくおもしろいやつだ。そして日本の大使館員が来たことを見て、言ったことは、「俺がこうなった場合に確かなことが1つある。誰も俺のためには来ちゃくれない。」って。まったく、どこまでおもしろいやつなんだか。。何だかんだいってこういった惨事が起きた後に、そのパキスタン人はみんなにチャーイを振舞ってくれた。パキ人いいやつー。それに比べてオーナーはまったく何をやってんだか。。
数時間後、外に捨てられた日記などが発見された。現金、パスポート、バッグは見つからなかったがそれ以外の日記やクレジットカードなどはすべて戻ってきたようだ。盗られてしまったものは仕方がないがそれだけ発見されたなら不幸中の幸いという風に考えるしかないだろう。僕自身は昨日から熱を出していたので部屋で寝込んでいなきゃいけなかったのにそんなことさえ忘れてしまう事件だった。
盗難後、近くの捨てられていた日記など
[宿泊] New Kanya Lodge
[場所] P.O.Box 43444, Nairobi, Kenya
[料金] ドミトリー 500Ksh
[サービス] ホットシャワー、ガスコンロ、モーニング・チャイ
[コメント] 宿泊中に別の日本人が宿で盗難に遭う。対応は最悪。できれば泊まらないほうがよい。

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